『川のある街』
今度の土曜日の返却日までに読めないかも、、、
と不安だったが読み始めたら止まらず、一日で読み終わってしまった。
素敵な本なのに、急いで読んでしまってちょっともったいなかった気がする。
川のそばで暮らす人の3つの短編集が収められた本。
三話とも好きだけど一番印象に残ったのは、IIIの人生の終盤を過ごす老女の物語。
おぼろげで夢の中と現実を行ったり来たりしているような感覚が描かれていて、認知症になるとこんな感じなのかな、いつかわたしもこんなふうになるのだろうなと思ったり、もう亡くなってしまった二人の祖母のことを思い出して切ない気持ちになったり。
きっとまた読み返したくなる本なので購入して手元に置いておこうかな。装丁も素敵だし。
江國香織さんは昔から好きな作家さんで先月も小説を読んだ。
『シェニール織とか黄肉のメロンとか 』
最初は『何この題名は。すっごく江國さんっぽい」と思ったけど読めばわかる。
50代の同級生三人と彼女達を取り巻く人々の物語。
特に事件が起こるわけではないが、わたしより少しお姉さん達の日常が興味深くてあっという間に読み終わった。
江國さんは感性や言葉がとても瑞々しくて大好き。これからもずっと読み続けていきたい作家さんの一人だ。
なんでもない日常も江國さんのように純粋な視点で見たり感じたりして過ごしていけたら楽しいだろうな。